音楽教室が多い地域はどこ？
音楽教室都道府県別登録件数※ランキング
※タウンページデータベース登録件数
新型コロナウイルスの流行下、巣ごもりをきっかけに「久しぶりに楽器演奏を始めた」「周囲に楽器を演奏する人が増えた」という方もいるのではないでしょうか。
楽器演奏については、独学で楽器演奏を習得される方、音楽教室に通われている方など、学び方は人それぞれでしょう。
今回は、楽器演奏などを自身で嗜む方がどれくらいいるのかを探りつつ、音楽教室の多い地域について、都道府県別に調査しました。
自分で音楽や歌唱を楽しむ人は増えている？ 減っている？
総務省の「社会生活基本調査」では、楽器演奏等に関連する趣味・娯楽の種類別行動者率の調査結果が報告されています。下記の図は、2011年、2016年、2021年における調査結果をまとめたものです。
出典：平成23年社会生活基本調査（総務省）、平成28年社会生活基本調査（総務省）、令和3年社会生活基本調査（総務省）NTTタウンページ株式会社作成
2021年における調査結果によれば、自身で楽器を演奏する人が1割を超えていることがわかりました。
また、「邦楽（民謡、日本古来の音楽を含む）」を見ると、「楽器の演奏」や「カラオケ」と比べて低いものの、2回連続で前回調査の結果を上回っています。
「カラオケ」については、2016年の調査では3割を超えていましたが、2021年には13.5％と大幅に減少しています。これはコロナ禍の行動自粛によるものと推察できそうです。
音楽教室が多い都道府県とは？
ここでは、2021年から2023年にかけての都道府県別音楽教室の登録件数と10万人あたりの件数の調査結果をご報告します。
出典：「タウンページデータベース」（NTT東日本・NTT西日本）NTTタウンページ株式会社調べ
2023年における10万人あたりの音楽教室の登録件数の多い都道府県は、1位が富山県、2位が長野県、3位が群馬県となりました。このうち1位の富山県、2位の長野県については、2021年から3年連続で順位をキープしています。
続く4位には山梨県、5位には山形県がランクインしました。これら2県にTOP3を加えた上位5県については、2022年から2年連続で順位を維持しています。
また、2022年には7位だった新潟県が2023年には6位に、8位だった徳島県が7位に、9位だった茨城県が8位に、10位だった福島県が9位に、それぞれ順位を上げています。
【1位】富山県
10万人あたりの音楽教室の登録件数5.80件で、富山県が1位となりました。2021年から2023年にかけて3年連続で1位を獲得しています。なお、2021年の「社会生活基本調査」における都道府県別の楽器の演奏の行動者率を見ると、富山県は8.6％であることがわかっています。これは47都道府県中24位の数値です。2019年に富山の音楽文化の発展を目指す「とやま音楽文化協会」が設立され、今後音楽活動が盛んに行われることが期待できます。
【2位】長野県
長野県も2021年から3年連続で2位にランクイン。2023年においては1位の富山県と0.3件差という結果となりました。また、長野県における楽器の演奏の行動者率は9.7％で、47都道府県中13位。10万人あたりの登録件数で1位を獲得した富山県、3位の群馬県よりも上位に位置しています。実はギターづくりが盛んで、2018年工業統計調査（確報）によるとギターの出荷額は長野県が2,929百万円で全国1位でした。
参考：平成30年確報 品目別統計表｜工業統計調査｜経済産業省
【3位】群馬県
群馬県は、2021年は4位でしたが、2022年、2023年と2年連続で3位にランクインしました。なお、楽器の演奏の行動者率は8.6％。10万人あたりの登録件数で1位を獲得した富山県を0.1％上回り、47都道府県中23位にランクインしています。実は群馬県はフィルハーモニーオーケストラの音楽活動がきっかけで、1956年に「音楽モデル県」として文部科学省から指定された最初の県でもあります。
コロナ禍をきっかけに定着しつつあるオンラインレッスン
新型コロナウイルスの流行による活動自粛・感染対策の要請をきっかけに、楽器演奏や歌唱のレクチャーを行う多くの企業が、それまで対面で行っていた音楽レッスンをオンラインでも受講できるサービスの提供を開始しました。
こうしたサービスは、受講者側に「感染対策になる」という安心材料を提供した形になりますが、それだけでなく、「教室まで通う手間が省けた」「受講後すぐに復習できるようになった」などのメリットももたらしました。
また、オンラインレッスンそのものだけでなく、スムーズな利用を実現する対応も各社が行っています。例えば、パソコンなど接続機器の設定や操作に不安を感じる受講者に対して、マニュアルの用意や電話サポートを行うといった対応が挙げられます。
アフターコロナにおいては、「通いで直接習いたい人は教室へ」「ライフスタイルに合わせて受講したい人はオンラインで」というように、受講者それぞれの好みや都合で使い分けられているようです。オンラインレッスンは、音楽レッスンのひとつの手法として浸透しつつあると言えそうです。
まとめ
2023年における人口10万人あたりの「音楽教室」登録件数ランキングでは、富山県、長野県、群馬県がTOP3にランクインしました。
なお、TOP10の都道府県を地方区分別に見ると、東北地方から2県、関東甲信越地方から5県、北陸地方から1県、中国地方から1県、四国地方から1県がランクインする結果となりました。
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2024年9月執筆
【調査概要】
抽出方法：タウンページデータベースの業種分類「音楽教室」に登録されている件数を都道府県別に集計し算出。
対象期間：2021年・2022年・2023年の各4月時点
出典元：タウンページデータベース (NTTタウンページ株式会社)
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