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テナント誘致成功のカギは市場調査にある?市場調査の手法と流れとは




新規開店の際には、自社保有の場所に店舗を構えるのではなく、テナントとして物件を借りて開店する場合も少なくありません。テナントに入る側は条件の良い物件を求め、テナントを所有する側は集客力のあるテナントを誘致したいと考えるでしょう。

テナント誘致を成功させる、つまり、より集客力が高く利益を上げられるテナントを誘致するには、いくつかの検討ポイントがあります。例えば、商業施設のテナント誘致においては、地域の特徴やニーズに合っていることや、物件のコンセプトとマッチしていることなどです。

そのため、開店地域について十分な市場調査を経たうえでテナント誘致を行う必要があります。


本記事では、テナント誘致を成功させるためにはなぜ市場調査が必要かを解説し、実際に市場調査をどのように行うかを紹介します。





 

テナント誘致とは

 

テナント誘致とは、自社の保有する物件に新しいテナント(Tenant)を誘致して入居してもらうことです。

テナントは店子(たなこ)と訳され、物件の借り手、借主を指します。オーナー(貸主、大家)が所有するオフィスビルや商業施設に入居している事務所や店舗のことです。


テナントの形態

テナントは以下の3種類に分かれます。


⮚ 店舗

不特定多数の来客を想定したテナント形態のことを指します。カフェやレストランの飲食、書籍や生花、アパレルなどといった物品販売、美容院やマッサージ店などのサービスを提供するのも店舗です。


⮚ オフィス

基本的には、テナントの社員が業務を行う場所で、不特定多数の来客を想定しないテナント形態です。ただし、旅行会社や不動産会社など、事務所と店舗を兼ねた「店舗事務所」と呼ばれるものもあります。


⮚ 倉庫

店子である企業の商品や書類などの物品を保存・保管するためのテナント形態です。保存期間や必要な設備は物品により異なります。


テナント誘致の方法

テナントを誘致するには、以下のような方法があります。


⮚ REINS(レインズ)への掲載

REINS(Real Estate Information Network System)は「不動産流通標準情報システム」ともいわれ、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する不動産ネットワークシステムです。REINSに登録した不動産情報は一元管理され、会員である不動産会社はいつでも閲覧できます。


⮚ 金融機関やテナントリーシング企業からの紹介

金融機関やテナント誘致の専門業者(テナントリーシング企業)は多くのテナントに関する情報を持っています。しっかりと情報を精査することで良いテナントを誘致できるでしょう。


⮚ 取引関係のある企業や知人からの紹介

自社のことをよく知っていて信頼できる相手からの紹介であれば、安心して誘致できるでしょう。


⮚ 不動産サイトへの登録

民間企業が独自に運営する不動産のポータルサイトに登録する方法もあります。会員のみ閲覧できるREINSとは違い、テナントを希望する企業の目にとまる可能性が高まります。想定外の企業からの応募もあるかもしれません。


⮚ オンライン・オフラインでの広告出稿

出稿地域を絞り、テナント募集の公告を出します。「不動産サイトへの登録」と同様に、テナント希望者の目にとまりやすい方法です。




 

      テナント誘致における市場調査の重要性

 

テナント誘致が成功するかどうかは、十分な事前調査を行っているかどうかにかかっています。


テナント誘致を成功させる要件

テナントは、借りた物件でビジネスを行います。そのため、居住用物件の入居者(住民)を募集するのとは異なる検討項目があります。

また、市場のニーズや、オフィスビルや商業施設のコンセプトに合わせて、最適なテナントの組み合わせを考え、実現しなくてはなりません。これを「テナントミックス」といいます。

テナントを誘致しやすい環境を整えて適切なテナントミックスを実現するためは、以下のことを実施しなければいけません。


⮚ 物件の現状を把握し、魅力的な物件になるよう管理や入居条件、賃料を見直す

⮚ 誘致するテナントの種類や特徴を把握し、物件に合うテナントを選定する

⮚ オーナー側だけでなく、テナント側の出店戦略や経営戦略を考慮する







テナント誘致を成功させるには市場調査が必要

テナント誘致を成功させるために必要なのが、市場調査です。

市場調査とは、市場の現状や顧客のニーズを把握し、分析することを指します。定量調査、定性調査、覆面調査、統計調査などを組み合わせて行い、これらの調査結果を踏まえて、マーケティング施策を策定します。市場調査によって以下の点が可視化され、テナント誘致の成功につなげられます。


⮚ どのようなテナントを誘致すれば地域に受け入れられるか

地域特性から適したコンセプトを探し、ビジネスとしての成功率を高めます。


⮚ どのような商品やサービスが必要か

どのようなテナントが必要か具体的な見通しを立てられます。




 

   テナント誘致のための市場調査・マーケティング手法

 

商業施設を例に、テナント誘致のための市場調査・マーケティングの手法と、その流れを説明します。


エリアマーケティング

エリアマーケティングでは、対象とする地域について、地域に密着した情報を収集・分析し、それをもとに新規出店、既存店の業績改善計画を策定します。テナント誘致でも、新規出店と同じような調査・分析を行います。



このエリアマーケティングでよく使われる手法が、商圏調査と競合店調査です。


⮚ 商圏調査

該当する商業施設の顧客が生活している範囲を「商圏」として設定します。商圏内の顕在層や潜在層の情報を収集・分析し、売上予測や店舗運営に生かします。また、誘致を検討しているテナントが出店するのに適した場所かどうかも判断できます。



⮚ 競合店調査

商圏調査から競合店を特定し、調査・分析します。これにより競合店および自社の強み・弱みを分析し、経営戦略やマーケティング戦略を策定します。



テナント誘致のための市場調査の流れ

エリアマーケティングでは、最初に商圏調査や競合店調査などを行い、調査結果を以下のように活用します。


1.      総合的な分析

調査結果をもとに、立地周辺の地域やその特性について総合的に分析します。

それによって、誘致を検討しているテナントについて、より詳細な売上予測や、細かな商品・サービスの選定などを行うことが可能です。


2.      マーケティング施策の策定と調整

分析結果をふまえ、誘致するテナントを選定したり、テナント希望者と話し合って出店計画を進めたりします。

なお、地域特性は時間の経過とともに変化します。変化する地域ニーズに応え続けるためには、定期的なテナントの見直しが必要です。ニーズの変化を知るには定点観測が有効なため、当初の商圏調査を綿密に行うことで、その後の変化を見極めやすくなるでしょう。



 

       市場調査をより効果的に進めるポイント

 

テナント誘致のための市場調査をより効果的に進めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

⮚ 市場調査の目的を明確化する

目的がはっきりしない状態では、取得するデータもあいまいになりがちです。知りたいデータを明確化することで、粒度の高いデータの取得につながります。


⮚ 現状把握では、現地へ出向いて調査を行う

統計資料をもとにした調査だけでなく、現地で実際に人の流れを見たり、ターゲット層の声を聞いたりすることが重要です。


⮚ 現在の情報だけでなく、過去のデータも参考にする

過去からの推移を確認することによって、より緻密な将来予測を立てることができます。


⮚ 競合店ではない近隣の既存店舗への聞き取りを行う

近隣の既存店舗は現地の事情に詳しいことが多く、重要な情報源となります。地域の伝統や風習などにも配慮したマーケティングに役立ちます。


⮚ 人流データを活用する

人流データとは、人が行動する流れをデータ化したものを指します。曜日や時間ごとなどの人の動きを把握することで、人流に合わせた施設設計や施設コンセプトの調整などの効果的なマーケティングが可能となります。





 

   テナント誘致を成功させるには十分な市場調査が重要

 

テナント誘致においては、周辺地域について十分な市場調査を行い、現状や商圏、競合店舗について把握する必要があります。そのうえで、自社物件のコンセプトとマッチするかも重要なポイントです。

相応の手間や時間がかかりますが、市場調査を十分に行うことで、より成功するであろうテナントを選定することができ、売上の向上につながるでしょう。

また、人流データの活用もポイントです。市場調査の段階で人の動きを把握することで、より緻密な分析が可能です。ただし、人流データを収集・分析するには相応のコストと手間がかかってしまいます。


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2024年7月執筆






 

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