データ収集とは? 具体的な方法から成功のポイントまで解説

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データ収集は、効果的なマーケティング施策の立案に欠かせない取り組みであり、企業活動の中でますます重要性を増しています。しかし、どのような方法でデータを収集し、どのように活用するべきかを迷っているマーケティング担当者様もおられるのではないでしょうか。
本記事では、データ収集が求められる理由やデータに関する基礎知識、データの収集方法、成功のためのポイントを解説します。最後には、タウンページデータベースが提供するデータ活用のための多様なサービスも紹介します。データ収集の方法と効果的な活用方法を知りたい方は、ぜひ本記事をお役立てください。

1.データ収集が求められる理由

データ収集は、事業における目標を達成するために不可欠な作業です。例えば、「ある商材の売上を◯%伸ばしたい」といった目標を達成するためには、ニーズがある層に対して最適な施策を検討する必要があり、その土台として顧客の属性や購入経路などの収集データが用いられます。
現代では、顧客の購買までの行動が複雑化していることから、データを用いたマーケティングの重要性が高まっています。ニーズのある顧客をデータ収集・分析によって明確にし、的確なマーケティング施策を行わなければ、顧客をほかの企業に取られてしまう可能性があります。
このような「データの収集・分析をもとに判断・意思決定すること」をデータドリブンとも呼び、競争における優位性の保持にもつながると注目されています。

2.マーケティングに活用するデータの基礎知識

データ分析を実施するためには、適切なデータの収集が不可欠です。この章では、マーケティングでよく活用されるデータの分類や特徴、それぞれのデータの活用例について解説します。

データの分類と特徴

マーケティングに活用されるデータを理解するうえで、データの分類を押さえておくことは重要です。代表的な分類として、下記の3つの軸でそれぞれ解説します。

  • プライマリデータ・セカンダリデータ
  • 定量データ・定性データ
  • ゼロ・ファースト・セカンド・サードパーティデータ

●プライマリデータとセカンダリデータの特徴

プライマリデータ(1次データ)は自社で独自に収集するデータ、セカンダリデータ(2次データ)は世の中ですでにほかの人が収集したデータである点に大きな違いがあります。それぞれの特徴やデータの具体例については以下の表をご覧ください。

概要特徴具体例
プライマリデータ自分たちが独自で収集したデータ・自社の目的に合ったデータをピンポイントで取得可能・調査にコストがかかる・商材の感想、満足度・顧客の属性情報・顧客ごとの売上など
セカンダリデータ他者によって収集されたたデータ・コストをあまりかけずに効率的に情報収集が可能・自社の目的に合っていないことが多い・データが最新のものでない可能性が高い・競合の売上・市場規模・市場成長率・消費者動向など

●定量データと定性データの特徴

定量データと定性データの大きな違いは、数値で表せるかどうかです。定量データは数値に表せるもので、定性データは顧客の感想のような数値では表すことが難しいデータです。それぞれの特徴やデータの具体例について表にまとめています。

概要特徴具体例
定量データ数値に表せるデータ・数字を用いた客観的な分析が可能・大量に収集しやすい・顧客の属性情報・過去の注文履歴・Webサイトへのアクセス数など
定性データ数値に表せないデータ・顧客の理解度を深めやすい・収集にコストがかかる・分析の際に認識の齟齬が生まれやすい・定量データと比較してデータが集まりにくい・商品に対するレビュー、クレーム・ユーザーのWebサイト上の動きなど

●ゼロ・ファースト・セカンド・サードパーティデータのそれぞれの特徴

ファースト・セカンド・サードパーティデータは、それぞれ収集元の違いによって分類されたものです。最近ではそれらの分類にゼロパーティデータが加わりました。下記の表では、それぞれの特徴や違いをまとめています。

概要特徴具体例
ゼロパーティデータ・顧客が意図的に自社に共有するデータ・顧客の理解を深めやすい・顧客自ら回答しているため、データの正確性が高い・商材の感想、満足度・顧客の好みなど
ファーストパーティデータ・自社が自ら顧客について集めたデータ・顧客の同意がなくても収集可能・顧客の属性や行動をもとに仮説を立てて検討する必要がある・顧客の属性情報・顧客ごとの売上・顧客のWebサイト上の動きなど
セカンドパーティデータ・パートナー企業から集めたデータ(パートナー企業のファーストパーティデータ)・パートナー企業の情報を活用できる・パートナー企業と自社の情報と提携することで精度の高いマーケティングが可能になる・パートナー企業の顧客の属性情報・パートナー企業の顧客のWebサイト上の動きなど
サードパーティデータ・自社やパートナー企業以外の第三者が集めた外部データ・自社の目的に合っていないことが多い・データが最新のものでない可能性が高い・競合の売上・市場規模・市場成長率・消費者動向・他企業のアンケート調査など

●マーケティングでよく活用されるデータ例

マーケティングで活用されるデータは、主に「自社」「競合」「市場」の3つの観点で分類できます。「自社」の現状や課題を明らかにし、「競合」の強みや戦略を理解し、「市場」(=顧客)の要望や市場のトレンドを押さえることが、マーケティングの基本といえます。
下記では、「自社」「競合」「市場」の分類におけるデータや活用例をまとめています。

データ活用例
自社・顧客の属性情報(氏名、性別、年齢、住所など)・過去の注文履歴・顧客ごとの売上・Webサイトへのアクセス数・商材に関する顧客の感想、クレームなど・商材に関する顧客の感想やクレームを集めて、商材の課題や強みを理解することで、改善策を検討したり、強みを押し出すプロモーションを行ったりする・顧客の属性情報と顧客ごとの売上の2つのデータを活用し、どんな顧客に売れているのかを把握し、効果的なマーケティング施策につなげる
競合・商材の売上・市場シェア率・プロモーション施策・資本力・商材の機能・保証やアフターフォロー・競合商品の感想、クレームなど・競合のプロモーション施策を分析することで、どの層をターゲットにしているのかの明確化が可能・商材の機能や保証・アフターフォローを比較することで、自社の押し出すべき強みを明らかにする
市場・市場規模・市場成長率・価格調査・市場全体のニーズ・市場のトレンドなど・市場規模や市場成長率から、これから先も商材が売れるだけのニーズがあるかどうかを理解する・市場のトレンドの変化を把握し、自社の商材の改善や新商品の開発を検討する

3.データの収集方法

データ分析によって成果に結びつく仮説を導きだすためには、その前提として適切なデータを収集することが求められます。そのためには、あらかじめデータ収集の方法とその方法で得られるデータを理解しておく必要があります。
ここでは、データ収集の方法を一次情報(プライマリデータ)と二次情報(セカンダリデータ)に分けて見ていきます。

プライマリデータ

収集方法収集の仕方収集に向いているデータ収集結果の活用例
アンケートアンケートを用意し、回答してもらう・顧客の満足度・商材の使用頻度・価格の適正さ・商材を知ったきっかけ・商材に関する顧客の感想、問題点・商材に対する顧客の印象・感想を定量・定性情報として収集し、商品開発やサービスの改善に生かす
インタビュー顧客に対してインタビュー形式で情報収集する・顧客の満足度に関する定性情報・商材を知ったきっかけ・商材の使いづらさ・商材に関する感想・インタビューで得た定性データとほかの方法で収集した定量データを掛け合わせることで、より実態に合った仮説を設定する
会員情報確認顧客の会員情報を確認する・顧客の属性情報・顧客の購買情報・自社の商材・サービスがどんな顧客に売れているのかを把握でき、ターゲットの明確化が可能
Googleアナリティクス確認Googleアナリティクスを確認する・自社のWebサイトへのアクセス状況・ユーザーにニーズのある情報の把握・サービスページへの流入やコンバージョンに関する課題を把握し、改善策を講じる

セカンダリデータ

収集方法収集の仕方収集に向いているデータ収集結果の活用例
Webサイトからのダウンロード(Excel・CSV形式)Webサイト上に公表されている情報をエクセル・CSV形式でダウンロードする・政府や企業が公表している調査データ・例えば、SNSの利用率の統計データを活用する場合、自社のターゲットに対してどのSNSを活用したプロモーションが有効かを明確化できる
WebAPI人間を介さずにコンピュータ同士でデータを連携させることで収集する・インターネット上で公開されているAPIのデータ・ECサイトのWebAPI連携で取得した売上ランキングをもとに、売れ筋商品のプロモーション強化を図る
スクレイピング設定した特定のデータを自動で収集するプログラムを用いてWebサイトを巡回させて収集する・インターネット上にある自社の目的に合った情報・自社商材と競合商材のレビューを収集し、競合との比較による商材やプロモーション改善を実施する

プライマリデータの収集方法

プライマリデータを収集する方法は以下の5つです。それぞれ収集に向いているデータが異なるため、自社の目的に合った収集方法を選ぶと良いでしょう。

  • アンケート
  • インタビュー
  • 会員情報確認
  • Googleアナリティクス確認

●アンケート

アンケートを自社で用意し、回答してもらう方法です。

▼データ例

  • ​顧客の満足度
  • 商材の使用頻度
  • 価格の適正さ

取得したいデータをもとに、事前に質問項目と回答方法を検討します。商材の使用頻度など定量データの取得は選択肢型、商材の感想などの定性データの取得は自由記述型といったように、取得したいデータに合った回答方法を振り分けます。

●インタビュー

アンケートを自社で用意顧客に対してインタビューを実施する方法です。し、回答してもらう方法です。

▼データ例

  • 顧客の満足度に関する定性情報
  • 商材を知ったきっかけ
  • 商材の使いづらさ
  • 商材に関する感想

アンケートと同様に、取得したいデータをもとに質問内容を検討します。インタビューの特性を生かし、「商材の感想」などの顧客が言語化できていない情報の収集に活用すると良いでしょう。

●会員情報確認

顧客の会員情報から必要に応じたデータを収集する方法です。

▼データ例

  • ​顧客の属性情報
  • 顧客の購買情報

顧客の属性情報や購買情報などを会員情報から収集します。目的に応じて、複数のデータを収集し、組み合わせて分析することで、自社の商材がどんな属性の人に多く売れているのかを判断ができるようになります。

●Googleアナリティクス確認

Googleアナリティクスは、自社のWebサイト・ECサイトへの流入傾向やサイト内でのユーザーの動きについてのデータを収集できるツールです。

▼データ例

  • ​自社のWebサイトへのアクセス状況
  • ユーザーにニーズのある情報の把握

Googleアナリティクスは、自社のWebサイト・ECサイトへの流入傾向やサイト内でのユーザーの動きについてのデータを収集できるツールです。

「Webサイト上で商品の購入につながらない理由を知りたい」といった目的を設定したうえで必要な情報を定めます。今回の場合であれば、ページごとの離脱率を調査すると、自社サイトのどこに課題があるのかが明らかになるでしょう。

セカンダリデータの収集方法

セカンダリデータを収集する方法は以下の3つです。

  • Webサイトからのダウンロード(Excel・CSV形式)
  • WebAPI
  • スクレイピング

●Webサイトからのダウンロード(Excel・CSV形式)

インターネット上に公開されているデータをExcelやCSV形式でダウンロードする方法です。主に政府や企業が公開している以下のようなデータをダウンロードできます。

▼公開されているデータの例

Webサイトから統計・調査データをダウンロードすることで、マクロな視点から市場の分析やプロモーション施策の検討をすることが可能です。

●WebAPI

WebAPIは自社のツールとほかの企業が提供しているAPIを連携させることで、大量の情報を自動で収集する仕組みです。収集したい情報を提供しているWebAPIのサイトと連携させると、大量のデータを自動で集めることができ、担当者の手間も軽減できます。

例えば、ECサイトのWebAPIと連携すれば、そのサイトの自社商材関連の売上ランキングの情報を取得できます。自社が集めたいデータを大量に集めて分析の精度をより高めたい場合に役立つ収集方法であるといえます。

●スクレイピング

スクレイピングは、インターネット上のデータを自動的に収集する方法で、目的に合った情報を多くのWebサイトから大量に集められることが特徴です。自社で集めたい情報を収集するプログラムを作成し、自動的にインターネット上を巡回させることで必要な情報のみを効率的に収集できます。自動で巡回するため、担当者の負担もかかりません。

例えば、スクレイピングによってインターネットに点在している自社商材のレビュー情報を集めると、顧客のニーズを調査することができます。集めたい情報が明確で、その情報がインターネット上に点在している場合に活用しやすい手法です。

4.データ分析を成功させるデータ収集のポイント

データドリブンを成功に導くためには、データ収集・分析においていくつかのポイントを押さえておく必要があります。この章ではそれぞれのポイントを意識しなければならない理由、具体的な進め方について解説します。

データ収集の目的を明確化させる

データを収集する前に、どのような目的で実施するのか明確化させましょう。目的を立てなければ、どんなデータを収集すれば良いかわからず、データ収集の方法を決めることができません。また、とりあえずデータを集めたものの、どう分析すれば良いかわからなくなってしまう可能性もあります。
漠然とした目的しか立てるのが難しい場合は、「売上が伸びない」を課題として、その理由についての仮説を立てると明確な目的を立てやすくなります。
例えば、商材の売上が伸びない原因に対して、「誤ったターゲットにプロモーションを注力してしまっている」という仮説を立てた場合、「現在のメインターゲットは適切かどうかの把握」という明確な目標が立てられます。

最新データを常に収集・整備・更新する

データは常に更新されるため、最新データを常に収集・整備・更新しておきましょう。古いデータを参考にした分析では、誤った戦略や施策立案につながりかねません。
情報の鮮度を保つためには、定期的にデータの更新をすることが必要です。企業の中で「3カ月に一度は更新する」といったようなルールと担当者を決めて、担当者は社員に更新を呼びかけるといった取り組みが求められます。

データ分析できる体制を整えておく

収集したデータをマーケティングと連動して分析できる体制を整えておきましょう。データドリブンの成功には、データ収集だけでなく分析が不可欠です。
具体的には、データ共有や情報更新のためのルール策定、分析ツールの導入、分析結果の社内共有の場の設定などです。より詳しくは「データ分析とは? データ分析の基本的な手法や実際のやり方を解説」の「【5ステップ】データ分析の基本的な手順」の章で解説しています。

5.タウンページデータベースを活用すればノウハウがなくてもデータの収集・整備・活用が可能

データ収集は手間がかかるため自社だけで行うのは容易ではありません。また、分析に関しても自分たちだけで考えていると、どうしても偏りや見誤りが出る可能性があります。
そこで、外部のサービスを利用されるのもひとつの手です。データに関するお困りごとでしたら、ぜひタウンページデータベースをご活用ください。
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データクレンジングは、データベース上で一定の基準やルールを定めた編集・統合・補正などの調整を施し、データの適正化を行うことです。企業データは年間約10%ほどの情報が何らかの変動をしています。精度の高いデータ分析を行うためにはデータクレンジングは不可欠な取り組みであるといえます。

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6.まとめ

本記事では、データ収集が求められる理由から、データに関する基礎知識、データの収集方法、成功のためのポイントまでを解説しました。データ収集は、企業の意思決定や戦略策定の基盤となる活動です。適切なデータ収集によってより精度の高いデータ分析を実施し、企業の売上向上を目指しましょう。

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2023年12月執筆


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