データベースは経営やマーケティングなどの企業活動の基盤ともなる重要な要素ですが、大切なのはその中身です。データベースの充実度によっては、実際の業務に十分に利用できない可能性もあります。そのため、データの粒度に注目し、有効性を確認する必要があります。ビジネスで用いる「データの粒度が高い」とは、対象の詳細を分析できる、自社の事業に貢献する希少な情報を含んでいることを意味します。
本記事では、データの粒度の概要や重要性、粒度を向上させるためのポイントを解説します。
データの粒度の重要性
まずはデータの粒度がビジネスにおよぼす影響について解説します。
データの粒度とは?
データの粒度とは、データの細かさ(粗さ)の程度を示す指標です。データの粒度が高いほどデータは細かくなり、詳しい情報が提供されます。
また、ビジネス上のデータの粒度とは、ビジネスにおける意思決定に必要な情報の細かさの
程度を示すものです。粒度が低いほど「おおまか、漠然、一般的」な情報であり、粒度が高いほど確実で価値のある情報であるといえます。
例えば営業のDM(ダイレクトメール)発送する際、企業名と住所さえわかればDM発送は可能です。しかし、やみくもにDMを発足しても効果が得にくいため、興味を持ってもらえる可能性が高い企業を絞りこむことが重要です。対象を絞り込むためには、細かい業種や企業規模、部署名など、より詳細な情報まで含んだデータ=粒度が高いデータである必要があります。
粒度が高くなるほど意思決定に必要な情報が緻密に得られるため、読み違えが少なくなります。迅速で的確な意思決定につながるほか、各施策の精度も高められるのです。
データの粒度はなぜ重要か
上記の説明からもわかるように、データの粒度は事業活動の効率化と成果向上に大きく影響します。
例えばマーケティングにおいて、粒度が高くさまざまなセグメント分けができるデータなら、多方面からターゲット層のニーズを分析することで課題をより深く掘り下げられるようになります。課題への理解が浅ければ解決策も立てられません。課題を理解することで、顧客に響く解決策を見つけやすくなります。
逆に粒度が低いデータでは、ターゲット層を正確に把握することができません。そのため、効果的なマーケティング施策を実施することが難しくなる可能性があります。ターゲット層を絞り込めず、顧客のニーズに合った訴求ができないため、成果につながらないのです。
このように、データの粒度の高低によって事業活動の精度が変化し、売上や利益に直結するため、重要視する必要があります。
データの粒度を上げることで得られるメリット
データの粒度が向上すると得られるメリットを、紹介します。
✓営業活動のパーソナライズ化
データの粒度を上げることで、顧客の属性や購買履歴などの情報をより詳細に把握することができるようになります。例えば、顧客の属性情報を細かく把握することで、顧客の年齢や性別、職業、居住地域などの情報をキャッチアップできます。それにより、顧客の興味関心やライフスタイルをより具体的に理解できるでしょう。
こうした顧客のニーズや課題をより深く理解できるようになることでパーソナライズ化した、より効果的な営業活動につなげられます。
✓市場のトレンド把握
データの粒度を上げることで、市場のトレンドや動向をより詳しく、正確につかめるようになります。市場の成長率や競争状況などの情報から、その分野の成長性や競争激化の度合いをより具体的に把握して、事業戦略の策定に役立てられます。また、市場の変化の方向性や速度などの情報は、市場の変化に迅速に対応することにつながり、企業の競争力強化が実現します。
✓競合他社の動向把握
競合他社の製品やサービスの情報が詳細になれば、その特徴や価格、販売戦略などを把握できます。これにより、競合他社の強みと自社の強みの差をより具体的かつ明確にでき、競争優位性を確立するための施策検討に役立ちます。
✓リスクの予測
例えば、取引相手の情報を細かく把握することで、倒産リスクや取引に好ましくない要因を早期に見いだすことができます。また、市場のトレンドや競合他社の動向といった情報からは、市場の変化による外部要因リスクや、競合他社の躍進によるシェア低下などの把握ができ、対応策を早期に検討できます。
データの粒度が高いほどリスクを未然に防止できるため、事業の安定化を図るのに役立ちます。
データの粒度を高くするには
データの粒度を高める主な方法を解説します。
収集するデータを増やす
データの粒度を高めるためには、収集するデータを増やすことが重要です。例えば、BtoB事業であれば、企業名と住所だけでなく、業種分類や郵便番号、株式会社・有限会社などの法人格、事業内容の情報まで収集します。BtoC事業であれば、年齢や性別などの属性だけでなく、顧客の興味や関心、行動履歴などの情報を収集します。
データを細分化する
収集したデータを細分化することで、データの粒度を高めることができます。例えば、個人の情報であれば年齢を1歳刻みで収集することで、より詳細なデータを収集できます。
ただし、細分化してもリストに統一性がなければ意味がないことに注意が必要です。有用なデータベースとするためには、すべてのデータについて同じ粒度が保てるようにすることが求められます。
データを組み合わせる
複数のデータを組み合わせることで、データの粒度を高めることができます。例えば、顧客の属性データと行動履歴データを組み合わせる、自社の顧客データとWebサイトのアクセスログを組み合わせて分析するなどの方法があります。
データの組み合わせにより、より緻密に傾向の把握や課題の抽出ができるでしょう。
生の声を集める
消費者や顧客の率直な意見を集めることで、生の声としてデータに厚みを加えます。具体的には、アンケートやインタビューを実施する、カスタマーサポートの問い合わせ内容を活用する、SNSやレビューサイトなどの投稿を活用するといった方法があります。
外部パートナーに依頼する
データの収集・分析を外部パートナーに委託することで、網羅的で鮮度の高い情報が手に入ります。委託先によっては、外部データと自社データを組み合わせることも可能です。自社だけでは補いきれないデータ収集や分析技術、ノウハウを外部から取得することで、効率的に専門家の知見を活用できます。
また、そもそも粒度の高いデータで生成されたリストを購入することも選択肢のひとつです。
データの粒度を上げるには
タウンページデータベースがおすすめ
タウンページデータベースは、網羅性と情報鮮度に優れており、必要とされるデータの粒度を高めることが可能です。毎月1回更新されるため、常に新鮮な企業データベースを提供しており、NTT東日本・NTT西日本のタウンページ掲載情報をもとにしているため、情報源が明確です。
さらに、約1,900業種の豊富な職業分類のなかから、業種を絞りこんだ企業リストを提供しています。データ総数約800万件の幅広いデータをもとに、BtoB、BtoCを問わず、地域や業種などのさまざまな条件でビジネスのターゲットとなるリストを作成できます。効率的に自社のリストの「抜け」を補足し、粒度の向上に貢献します。
他にも信頼性の高いデータを収集できるため、安心して利用できるのも大きな利点です。業種別詳細、法人格の種別などの多彩な情報軸を保有しており、多面的に粒度の高い情報が得られます。需要に応じた絞り込みも可能なので、自社事業に合わせた活用がしやすいこともポイントです。
※2023年3月現在
タウンページデータベース事例紹介
タウンページデータベースにより、ビジネス強化につなげた事例を紹介します。
カーナビゲーションシステムの利便性向上に貢献【株式会社ゼンリン様】
株式会社ゼンリンは1990年にGPSカーナビ専用ソフトを世界で初めて開発し、自動車産業の進化に寄与してきました。当時のカーナビは住所検索やスクロールによる手動設定が主流でした。
そこで同社は、ユーザーの利便性向上を図るため、電話番号検索や施設名検索の導入を決定し、全国の施設情報を広範囲に収集するために、タウンページデータベースを1997年に採用しました。これにより、約1,000万件の施設情報を補完し、さまざまな場面での安全かつ効率的な移動が可能となっています。国内でのこうした実績が、北米市場でのカーナビコンテンツのビジネス化成功につながっています。
高所得層に対する効果的な不動産営業が可能に【不動産取引事業者】
景気低迷に伴い、不動産取引事業者(以下:同社)の事業である高級マンション市場が停滞するなか、同社も売上の拡大が必要な状況でした。一般向けの広告やDMの配信では成果が上がらず、配達不能や返送が多発していたのです。
そこで、タウンページデータベースの業種分類を活用し、高所得層と見込まれる業種にDMを送付した結果、不達率が改善しました。今後は、費用対効果の高い業種に焦点を絞ってDMの発送を進め、受注確率の向上と売上の拡大を目指しています。
粒度の高いデータなら
タウンページデータベースがおすすめ
市場のニーズや課題を深く理解するためには、有用なデータを収集する必要があります。有用なデータとは、社会の傾向や変化を把握できる、粒度の高い情報です。粒度の高いデータがそろってこそ、自社の商品・サービスに関しての確実な訴求が可能となります。
しかし、自社で情報収集を行おうとしても、人的リソースや手法には限りがあり、求めるデータを網羅的かつ高精度でそろえるのは容易ではありません。自社データの粒度に不安があるのなら、信頼できる外部パートナーである、NTTタウンページのタウンページデータベースがおすすめです。情報源が明確で信頼性が高く、多様なデータを効率的に活用できます。営業活動の有効化にぜひお役立てください。
2024年1月執筆
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