スマートフォンやタブレット・パソコンなど、どのようなデバイスを利用していても、WEBサイトを見ているといろいろな広告を目にされることが多いと思います。
これらの広告は、どのような種類があって、どういったしくみで表示されるのでしょうか。
今回はインターネット広告について概要をお話ししたいと思います。
インターネット広告の種類
広告の種類について、代表的なものを以下に挙げます。
純広告
Yahoo!Japan*1など、大手ポータルサイトなどの広告枠を買い取って掲載する広告のことです。看板広告やテレビ広告など、アナログ広告でも使われる言葉です。
動画広告
YouTube*2など動画共有サイト内で動画の前に表示されるインストリーム配信広告、それ以外のサイト等で表示されるアウトストリーム配信広告などがあります。
ネイティブ広告
記事やニュースなどコンテンツの中に、自然に表示されている広告のことです。明らかに広告とは分からない、コンテンツに溶け込んでいるような掲載により、ユーザーのストレス軽減を図っています。
アドネットワーク
GDN(Google Display Network)*2やYDA(Yahoo Display Ads)*1などがよく知られていますが、それぞれの広告ネットワークに配信できるシステムのことです。対象の認知度を高めたい場合に有効的です。
SNS広告
Twitter*3やInstagram*4、Facebook*5などのSNS上で配信する広告のことです。
リターゲティング広告
サイトを訪れたことのあるユーザーに、再度表示させる広告のことです。接触回数を増やすことで、対象に対して好印象を持つようになる心理状態(ザイオンス効果)を活用しています。
リスティング広告(検索連動型広告)
ユーザーが検索エンジンで検索すると、検索結果の画面上部に表示される広告のことです。
どれも見たことのある広告だと思いますが、こういった広告は何の情報をもとに表示されているのでしょうか。
次の章で配信のしくみを見てみましょう。
*1 Yahoo!JapanおよびYDA(Yahoo Display Ads)は、米国Yahoo! Inc.の登録商標または商標です。
*2 YouTubeおよびGDN(Google Display Network)は、Google LLCの商標です。
*3 Twitterは、米国およびその他におけるTwitter, Inc.の登録商標です。
*4 Instagramは、Instagram LLCの登録商標または商標です。
*5 Facebookは、Facebook, Inc.の登録商標または商標です。
配信のしくみ
配信のしくみは大きく分けて二つあります。
検索連動型
上記の広告の種類にも記載しましたが、ユーザーが検索したワードに連動して広告が掲載されます。リスティング広告の他にも表示方法は様々です。ユーザーが能動的にリサーチしているキーワードと連動しているので、効率的に集客するのに適しています。
ターゲティング型
ユーザーの検索履歴や行動履歴など、デバイスに記録されている情報を基にして、対象の「ターゲット」に広告を配信します。ターゲットの種類は以下の4つが主流です。
<オーディエンスターゲティング>
ユーザーの属性や履歴などを分析して、「人」に対して広告を配信します。
<コンテンツターゲティング>
ユーザーが検索・閲覧するサイトの内容=「コンテンツ」を分析し、コンテンツに合った広告を配信します。
<デバイスターゲティング>
配信先のデバイスの種類(端末/OS/キャリア)に合わせて、広告を配信します。ユーザーが企業か個人かによって、メインデバイスがパソコンかスマートフォンか想定シーンが変わる、などの要因があるためです。
<ジオターゲティング>
ユーザーの位置情報=ジオに基づいて、広告を配信します。企業にとっては効果的な配信が可能となります。
このようにユーザーの行動や嗜好に合わせて広告が表示され、高い効果が期待できることと、社会のデジタル化が加速していることから、コロナ禍で日本の総広告費が対前年比89%と落ち込む中、インターネット広告費は106%と成長し続けています。*6
上記のなかでも最後に記載した「ジオターゲティング」は、近年とても注目されている広告です。どんなしくみなのか、次の章で掘り下げてみます。
*6 株式会社電通「2020年 日本の広告費」
ジオターゲティング広告とは
ジオターゲティング広告とは、前述したようにユーザーの位置情報を基に広告を配信する手法です。
位置情報とは、現在いる場所だけでなく過去に訪れた場所(=行動履歴)も含みます。事前に許可を頂いているデータであることが大前提です。
その情報を活用して配信する広告事例としては、
● 「ランチ おすすめ」と検索すると、現在地付近の飲食店の広告が表示される
● 居住エリア付近の情報(新規店舗オープンのお知らせ、スーパーのお買い得情報など)が広告表示される
などがあります。
この広告が注目されている理由は、行動履歴を分析することで細かなターゲット設定が可能となる点です。さらに別のデータと掛け合わせることで、よりターゲットに近いユーザーへの訴求も可能です。
例①子育てパパママ層セグメント
保育園の施設データを利用します。
施設データと合わせた場所に朝と夕方に立ち寄るユーザーがいるとします。
決まった時間に保育園に行っていることから、そのユーザーは「保育園へ通う児童の保護者である」と想定することができます。
このユーザーに対しては、次のような広告配信がおすすめです。
- エリア指定の場合:住宅展示場でのイベント案内、塾や習い事の案内など
- エリアフリーの場合:園児向けオンラインイベントの案内、ランドセルの通販サイトの案内など
例②競合店セグメント
同業他社の店舗データを利用すると、競合店に頻繁に立ち寄るユーザーを特定できるため、対象のユーザーに対してクーポン広告を配信できます。
このように様々なデータを組み合わせることで、企業のターゲット層を「想定データ」として抽出することも可能です。ターゲットにできるだけ近い対象に広告配信をしたい、と検討されている方は、こうした方法も試されてみてはいかがでしょうか。
NTTタウンページのジオターゲティング広告の特長や利用シーンはこちらからご覧いただけます。
まとめ
いかがでしたか?
デジタル広告の方法も、近年は多種多様になってきています。スマートフォンを見ていて、出てくる広告が多いと思うこともあると思いますが、裏側を知ると違った視点で見られるのかもしれません。
なおターゲティング広告については、世界中で個人情報保護の観点から、ユーザーの個人データ取得が制限される動きも出てきています。今後の動きに注目していきたいと思いますが、それは次の機会にお話しできればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コラム筆者:遠藤 実希子
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