最新!日本全国ランキング: メガネ製造・メガネ店

メガネ生産は、もの作りに真摯に取り組む あの県が1位!

10月1日は「メガネの日」ということをご存知でしょうか。日付の由来は、10月1日は “1001” と表記することができ、両端の“1”が「メガネのツル」、内側の“0”が「レンズ」に見立てられ、メガネの形を表しているところからきているとのことです。
そのメガネには、世界三大生産地があります。デザインやブランドのイタリア、コストパフォーマンスの中国、技術・クオリティの日本が、ランクインしています。
その日本のメガネ生産の9割以上が、福井県鯖江市に集中しています。鯖江市は、1980年代に世界初のチタン製メガネフレーム製造技術を確立したことで知られていますが、実は視力補正用高屈折偏光レンズにおいても世界で高いシェア率を占めており、国内外の大手レンズメーカーに採用されています。接合や研磨の分野でも、世界トップクラスの技術を多数所有しています。
今回は、フレーム、レンズともに世界に誇る「メガネ」に関するランキングを紹介いたします。

メガネ生産は、もの作りに真摯に取り組む あの県が1位!

▼写真提供:日本眼鏡関連団体協議会 https://www.megane10-01.com/

メガネが知的に見える理由

メガネをかけていると「ちょっと知的な印象」と受け取られることが多いようですが、実はそれには歴史的な背景があります。
それは、13世紀後半に誕生したメガネが、1448年のグーテンベルグの印刷術発明をきっかけに普及した過程にうかがえます。印刷物などの活字文化の広がりはメガネを必要とする人を増やし、その結果メガネ職人も増えてメガネを手にする人も増加します。それでも、透明度の高いガラスは庶民には高根の花で、持てる人は限られていました。文字を読めることと、高価なメガネを持てるのは裕福さの証でもあったことから、「メガネ=知的」という認識が培われたようです。
日本にメガネを紹介したのは、フランシスコ・ザビエル。その後、同じ宣教師のフランシスコ・ガブラルが近視用メガネをかけて織田信長に会いに行った所、それを見た人々は「バテレンには目が四つある」と大層驚き、城下だけでなく遠隔地からもその姿を一目見ようと大勢の人が押し寄せたという記録が残っています。新しいもの、珍しいものへの好奇心は、信長だけでなく城下の人たちにも及んでいたのですね。日本で本格的にメガネが作られるようになったのは明治時代。政府の勅命を受けた技術者の朝倉松五郎がヨーロッパで機械式レンズ製造技術を学び、メガネ製造を開始しました。

現在のメガネ市場の成長を牽引しているのが、ファッションアイウェアとしての役割です。海外のメーカーに大量発注して製造コストを抑えることで低価格が実現し、ファッションに合わせてメガネをかけ替えることが可能に。視力矯正という不便を解決する手段ではなく、オシャレのひとつとして楽しむという新たな層が生まれました。今や知性だけでなく、カッコよさや可愛らしさ、親しみやすさも演出できるものになってきています。

メガネが知的に見える理由

「めがね製造」「めがね店」ランキング
福井県が堂々第1位!

人口約10万人当たりの「めがね用品製造卸」登録件数による都道府県ランキング

2021年の人口10万人当たりの「めがね用品製造卸」登録件数1位は福井県で68.75件。2位は東京都で0.50件、3位は大阪府で0.47件。2位以下は比較にならないほど福井県が抜きん出ています。

福井県が堂々第1位!

人口約10万人当たりの「めがね店」登録件数による都道府県ランキング

2021年の人口10万人当たりの「めがね店」登録件数1位は福井県で19.66件。2位は徳島県で17.58件、3位は山形県で15.68件。メガネ店についても、福井県が1位となっています。

福井県が堂々第1位!

郷土愛が産業の発展に

福井県がメガネの一大産業地となったのは、現在の福井市の豪農増永家に生まれ、村会議員も勤めた増永五左衛門の功績です。五左衛門は村の発展のために、冬でも収入が得られる方法としてメガネ作りに目を付け、1905年(明治38年)に製造を開始。当時から大都市だった東京や大阪のメガネ職人を招き入れました。日本の近代化に伴い、新聞や書籍などの印刷文化が広がり、メガネ需要が高まっていた背景もあり、1935年(昭和10年)には全国一のメガネ産地へと成長。現在も福井県の経済を支える産業の一つとなっています。

現在、福井県鯖江市にある「めがねミュージアム」では、メガネ作りを手軽に楽しめる教室や体験コーナーなど、子どもから大人まで楽しめるスポットになっています。また、JR鯖江駅周辺は、めがねストリートがあり、街のあちこちにメガネをモチーフにしたデザインが多数あります。お土産もマンホールも橋の欄干もメガネ。鯖江に行ったらメガネのモチーフを探すのも楽しみになりそうですね。

郷土愛が産業の発展に

▼写真提供:めがねミュージアム https://www.megane.gr.jp/museum/
▼関連サイト:福井・鯖江めがね 総合案内サイトhttps://www.japanglasses.jp/

さらなる需要を開拓するメガネの未来

紫外線のカット、傷がつきにくい加工のレンズ、フレームやレンズの軽量化、フィット性アップなど、メガネの機能はますます高まる傾向に。さらに、目が疲れないPC用や花粉対策など、今までメガネを必要としていなかった分野での需要も掘り起こされて使う人が増えています。

そうした中で鯖江市では、新しいもの作りにも邁進しており、日本だけでなく世界に向けて市場開拓を行なっています。今人気があるのは、手帳やスマホに挟めるほど薄いのにかけ心地が良く、デザイン製にも優れている超薄型グラスを開発し、日本だけでなく世界でも人気を集めています。

さらなる需要を開拓するメガネの未来

将来のメガネの可能性のひとつに、ウェアラブル端末があります。NTTドコモが、Googleのメガネ型を法人向けに今年の夏から販売を始めました。高齢者の見守りや健康管理、道案内など様々なサービスが想定されています。ファッションや機能を越えて、メガネは今後もさらに進化し続けそうですね。

コラム筆者:本間 奈穂

【調査概要】
都道府県別 人口約10万人に対するめがね用品製造卸の登録件数分布及び年別の推移を掲載します。
■対象期間と抽出方法:2019~2021年の各4月時点で、タウンページデータベースの業種分類「めがね店」「めがね用品製造卸」に登録されている件数を集計し算出。
※1人当たりの登録件数は、小数点以下数桁になるため10万人換算をしています。
※掲載情報は2021年9月時点のものです。


事業所データのマーケティング活用という新たな可能性をどう広めていきたいですか?

データベースにご関心やお悩みがございましたら、
ぜひお気軽にお問い合わせください。