こちらの記事では、API連携の事例として、各社が展開する転職サイトのサービスにおいて、法人データを網羅しているタウンページデータベースを辞書として活用したソリューションをご紹介します。転職サイトと法人データ辞書をAPIで繋げることで、サービス機能拡充や業務効率改善など多くの効果が期待できます。ここでは、転職サイトにおける法人データ辞書活用のメリットをはじめ、転職サイトと法人データ辞書のAPI連携事例を中心にご紹介します。
1. 転職サイト×法人データ辞書の重要性
(1)活性化する転職サイト活用の背景
近年、人材の流動化に伴い、転職サイトの活用が一般的になってきました。背景として、将来のキャリアを見据えて転職先を探す人が増えていることに加えて、リモートワークやフリーランスなど、多様な働き方へのニーズが高まっていることが言えます。また、スマートフォンの普及により、オンラインでの情報収集や応募が容易になっていることも、転職サイトの利用が増える要因となっています。さらに、人手不足の深刻化が進み、企業側においても、優秀な人材を確保するために、さまざまな転職サイトを活用する傾向にあり、転職サイト自体の数も増加しています。まずは、飽和状態にある転職サイトの中から求職者や企業に選ばれるために、転職サイトのサービス向上に繋がる法人データ辞書活用の重要性についてご紹介します。
(2)転職サイトにおける法人データ辞書活用のメリット
転職サイトを運営する上で、企業情報を正確に管理し、求職者に信頼できる情報を提供することが、サービスの評価に直結します。法人データの辞書としてタウンページデータベースを活用することにより、登録企業の情報を自動で補完し、正確かつ最新のデータを維持することができます。また、APIで連携し法人データ辞書を活用することで、企業名や住所などの情報をすぐに取得し、変動情報への対応が可能となります。例えば、企業の住所や名称に変更があった場合でも、APIを通じて自動的に更新されるため、正確な情報の管理が容易となり、サービスの品質向上、結果として、求職者のスムーズな転職活動に繋がります。そして、企業側も自社の情報が正確に反映されているため、安心して採用活動を行うことができます。
2. 転職サイト×法人データ辞書のAPI連携事例
(1)API連携による転職サイトのサービス機能拡充事例
転職サイトにおいて、法人データを網羅しているタウンページデータベースを辞書として活用することで、サービス機能の拡充に繋がった事例をご紹介します。
各社が運営する転職サイトの多くには、企業の担当者が、転職サイト内で、求職者の経歴や能力を評価し、直接オファーできる機能が備わっています。求職者にとっても、転職サイトに自らのプロフィールを公開しておくだけで、検索時には気付けなかった魅力的な企業との接点が生まれるメリットがあります。一方、求職者の声として、この機能を使いたくても、現在の勤務先や関連会社、取引先などに転職を知られたくないといった課題もありました。そこで、求職者が選択した特定の企業に対しては、転職サイトに公開しているプロフィールを非公開とする機能を開発するため、タウンページデータベースを法人データ辞書としてAPIで連携いただきました。これにより、求職者が自身のプロフィール公開をブロックする対象企業を選定する際に、「企業名」や「住所」で検索をすることで、リクエストに応じて該当する企業の候補をAPIで法人データ辞書から表示させることができます。例えば、事例として、ブロック企業を探す際に、「NTT」、「中野区」と検索すれば、「NTTの名前を含みかつ中野区にある企業」が一覧で表示され、求職者は法人データの候補リストからブロック企業の選択が可能となります。このように、個人事業主から大企業まで網羅しているタウンページデータベースを法人データ辞書として活用することで、転職サイトのサービス機能の拡充に役立ちます。
(2)API連携によるサービスの利便性向上
また、APIを活用して法人データ辞書を転職サイトに連携させることは、サービスの利便性向上に繋がります。今回の事例においても、求職者は、ブロック企業を登録する際に、いくつかのキーワードを打ち込むだけで、法人データ辞書から候補リストを自動で表示させ、その中から簡単に選択することが可能となります。さらに、転職サイトの運営側も業務効率化が期待できます。法人データ辞書とのAPI連携により、これまで手動で行っていた企業情報の登録や更新が自動化されれば、ミスが減り、スタッフの時間と労力の節約になります。その結果、求職者に対してより正確でスピーディーな情報提供が可能となり、転職サイトの掲載企業に対するサービス品質も向上させることができます。
3. 転職サイト×法人データ辞書の今後の展望
(1)法人データ辞書を活用した転職サイト掲載事業者の拡充
API連携を通じた転職サイトと法人データ辞書の掛け合わせによるサービス機能拡充の事例をご紹介しましたが、法人データ辞書の活用は、転職サイトの掲載事業者の拡充にも有効です。求職者にとって、転職サイトを選ぶ上で、情報量の充実はとても大切な要素となっています。個人事業主から大企業まで網羅しているタウンページデータベースの法人データ辞書をもとに、転職サイトに未掲載事業者の登録勧奨に取り組むことで、他の転職サイトに負けないコンテンツを作成することができます。加えて、タウンページデータベースは詳細な業種分類を保有しているため、事例として、建築業界や士業などの特化型転職サイトの運営においても、基盤のデータリストとして効果を発揮します。
(2)法人データ辞書活用による求職者の満足度向上
転職サイトにおいて、法人データ辞書を活用することは、求職者の満足度を向上させます。正確な企業情報がタイムリーに提供されることで、求職者は自分に合った企業を見つけやすくなり、安心して応募することができます。今後は、求職者がより多くの情報から企業を比較し、最適な選択をするために、企業の基本情報に加えて、業績や設立年、事業内容などの付加価値情報もAPIにより自動的に表示されることが求められるようになります。また、企業に対するレビューや評価といった口コミも法人データ辞書と組み合わせ、APIにより提供することで、求職者の不安軽減に繋がり、より自信をもった転職活動のサポートとなります。NTTタウンページにおいても、付加価値情報の収集を加速させ、多様なデータニーズに応えることができるよう取り組んでいきます。
まとめ
以上、こちらの記事では、API連携の事例として、各社が展開する転職サイトのサービスにおいて、法人データを網羅しているタウンページデータベースを辞書として活用したソリューションをご紹介しました。API連携により、正確な法人データをタイムリーに提供することで、よりスムーズな転職活動を支援するためのサービス構築をサポートします。また、転職サイトの運営において、求職者と掲載企業双方にとって価値のあるサービス提供を実現するために、効果的な施策を展開するヒントを得ることにも繋がります。転職サイト運営会社様とのアライアンスの事例もありますので、さらに詳しい情報を知りたい方は、お気軽にお問合せください。
2024年10月執筆
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