企業のさまざまな情報を幅広く掲載したデータベースを「企業データベース」といいます。企業の概要や業務内容、財務状況などのさまざまな情報をデータベースにまとめることによって、効率的に業務に活用できます。企業データベースを使いこなすことは、戦略策定や営業活動の推進、効果的なマーケティングに役立ちます。ここでは、企業データベースの基本的な知識と活用方法を解説します。
企業データベースとは?
企業データベースの概要と基本機能を確認します。
企業データベースの概要
企業データベースとは、特定の企業や組織に関連するデータを収集、保存、管理し、提供するためのデータベースです。情報を収集するだけでなく、自社のニーズに応じて扱いやすい形式で蓄積することができ、業務効率の向上に貢献します。
例えば、市場調査、競争分析、戦略策定、新規顧客の獲得、リスク管理などのさまざまな業務活動に役立つ情報を必要に応じて抽出し、リストアップできます。各企業によって必要とされる情報は異なりますが、具体的には、以下のような情報が含まれることが多いです。
■企業プロフィール
企業の名称、所在地、連絡先情報、業種、規模などの基本情報
■財務情報
収益、利益、資産、負債、キャッシュフローなどの財務データ
■業界情報
業界トレンド、市場シェア、競合情報、成長予測など
■サプライヤー情報
サプライヤーのリスト、取引履歴、供給能力など
■リスク評価
信用情報、財務健全性、業界リスクなどの評価情報
企業データベースの構築手順
企業データベースを構築するためには、データの収集と更新を効果的に行う体制を整える必要があります。一般的には、以下の手順で進めます。
目的の明確化
企業データベースの作成目的を明確に定義します。収集する情報の種類、使用目的、期待される成果などを定量的に設定することが重要です。
収集する情報種類の決定
データベースに含める情報を決定します。前章であげた項目が主ですが、特定の業界や市場に関連する情報が必要とされる場合もあります。
データの収集
さまざまな情報源から、信頼性の高いデータを収集します。例えば、企業のウェブサイト、業界レポート、業界団体の発表、官公庁が提供する情報などがあります。情報の正確性を確保するために、複数の情報源を参照して精査します。
データの整理と管理
収集したデータを整理し、データベースに適する形状に整えます。一元的に管理するために、データベース管理システムを使用するのが一般的です。目的に応じて適切なフィールドを設定し、収集データを格納します。
データの更新
企業情報は常に変化し続けます。最新のデータを維持できるよう、定期的な更新とチェックが必要です。情報の変更や追加については社内ルールを設定し、情報に齟齬(そご)が発生しないことに留意します。
企業データベースを構築・活用するメリット
企業データベースを構築し、活用していくことで以下のメリットを得られます。
効率的な営業活動の実施
営業活動の迅速化が見込めます。企業データベースで対象企業のキーパーソンや経営状況を把握し、条件による絞り込みが可能です。また、営業活動に適した企業の特定も容易になります。
有効性の高いマーケティング施策の実行
企業データベースで企業の経営者に関する詳細な情報を取得し、関心や傾向を理解できるため、電話営業、飛び込み営業、メールマーケティングなどの適切なマーケティング施策を計画し、実行できます。
事業内容、従業員情報、収益などの情報をもとに、自社の商品やサービスに適した企業に対するアプローチが可能です。
リスクのある取引の回避
経営状況に不安のある企業やリスクのある企業を特定することで、リスクを未然に回避できます。財務情報の確認を通じて、倒産リスクの高い企業との取引を避けることができます。
企業データベースの活用方法
企業データベースの活用方法について解説します。
営業リスト作成
データベースの情報をもとにして、ターゲット市場や業界に関連する企業を抜き出したリストを作成します。収益、地域、業種などの詳細条件に基づく絞り込みを行い、成約率の高い営業リストを効率的に作成できます。
マーケティング戦略の強化
企業データベースを活用すると、ターゲット市場をより客観的、かつ合理的に特定できます。マーケティングキャンペーンの照準をターゲットに合わせ、精度の高い施策を実施できます。
市場分析と競合情報の収集
企業データベースを用いて、市場トレンドや競合情報を追跡します。収集したデータを総合的に比較することで、市場の変化や競合の動向に対する迅速な対応が可能になります。
リード管理とセグメンテーション
新しいリードをデータベースに追加するごとに、それらをセグメント化してマーケティングキャンペーンに活用します。リードの進捗状況を追跡し、可能性の高い見込み客を特定します。
企業データベースは、業界や組織のニーズに合わせてカスタマイズできます。データベースを効果的に活用することで、企業は競争力を高めることが可能です。データを用いて客観的な根拠をもとに意思決定を行うことができ、成果の最大化につながります。
企業データベースサービスを活用する際のポイント
自社でデータを収集するのは時間も工数もかかり、データの絞り込みや検索の手間や、更新の負担が大きいかもしれません。その場合は、企業データベース提供サービスを利用することも有効策のひとつです。外部の企業データベースサービスを活用する際に注意するポイントとしては、以下のことが挙げられます。
企業データの件数と登録情報
企業データベースの登録件数と種類、情報の粒度を確認します。データが多いほど網羅性が高まりますが、その分コストも上昇します。件数のなかで自社のターゲット市場や地域に合致したデータがどのくらい含まれているかが重要です。
アナリストによる調査レポートやトレンド分析といった、データベース独自のコンテンツの特徴にも目を向ける必要があります。
検索・絞り込みの条件設定
自社のニーズに適した検索や絞り込みが容易にできるかを確認します。
業種や指標、タグなどの条件設定が、自社の目的とする情報に適しているかどうかを確認することで、絞り込みのしやすさがわかります。加えて、条件の追加によるカスタマイズ検索の可能範囲も確認しておくとよいでしょう。
データの信頼性と精度
データの信頼性と精度は事業推進において非常に重要です。情報に誤りがあると、さまざまな活動に支障をきたすおそれがあります。データソースや品質管理について詳細を確認し、提供される情報の正確性が担保されているかを判断する必要があります。
データの鮮度
データベースの更新頻度に関する情報は、鮮度の高い情報維持に不可欠です。企業情報は常に変化するため、古い情報ではビジネスチャンスを逃してしまうおそれがあります。リアルタイムの情報をもとにビジネスを展開しなければなりません。
システムとの連携
提供されるデータと社内の既存システムとの連携が可能かどうかを考慮します。顧客管理システム、営業支援システム、マーケティングオートメーションなどと連携できれば、業務プロセスのさらなる効率化が期待できます。
データのセキュリティとコンプライアンス
企業活動において、セキュリティ対策は社会的な信用にかかわります。企業データベースサービスが適切なセキュリティ対策を施しており、データの機密性を確保しているかを吟味します。データベースが適切な法的規制やコンプライアンスに準拠しているかも重要なポイントです。
導入コスト
企業データベースサービスの導入コストが、予算および事業効果に見合うかを判断します。導入する目的に対して、過不足のない機能やサービスであることが大切です。初期費用、ランニングコストのほか、トレーニングなどにかかる人件費を考慮し、中長期的な費用対効果を検討します。
企業データベースで事業効果を高めよう
企業データベースは、営業、マーケティング、与信管理などのさまざまなビジネスプロセスに価値を提供します。効率的な業務遂行と高度な戦略を実行するためには、企業データベースの活用が欠かせません。自社で構築するのが難しい場合には、外部サービスを利用する方法もあるため、積極的に企業データベースの活用を検討しましょう。
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2023年11月執筆
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