企業利益を継続して獲得するためには、既存顧客のケアも大切ですが、それだけではいずれ先細りとなることが予測されます。企業が成長を続けていくためには、新たな顧客の開拓が重要です。しかし、新規開拓営業をどのように行えばよいのか、効果的な新規開拓方法に悩んでいる担当者もいるのではないでしょうか。
今回は新規開拓営業について、実施の際のポイントや方法などをまとめて解説します。
新規開拓営業とは
新規開拓営業の基本的な考え方やプロセス、新規開拓営業を行うメリットについて解説します。
新規開拓営業の基本
新規開拓営業とは、企業や事業者が新しい顧客を獲得するために行う営業活動です。
未知の顧客候補に対しての活動となるため、既存顧客との関係を維持し、サービスや製品を提供する「顧客維持営業」とは対照的なアプローチ方法が求められます。
新規開拓営業の一般的な流れは以下のとおりです。
リサーチとターゲット設定
潜在顧客を調査し、最適なターゲット設定を行います。また、業界、地域、ニーズなどを分析し、アプローチの方針を決定します。
リード生成
ターゲット設定をして作成した顧客リストから見込み顧客候補を探索します。
アプローチとコミュニケーション
見込み顧客に対してアプローチを行います。訪問、電話、メール、SNSなどを活用し、コミュニケーションを確立しながら関心を引き出します。
ニーズの把握とカスタマイズ
見込み顧客のニーズや課題を理解し、提供できる価値を特定する段階です。個別にカスタマイズされたソリューションの提案を作成します。
提案と交渉
見込み顧客に対して提案を行い、価格交渉や契約条件の調整を行います。相手の反応を見ながら、要望に合わせた提案を模索し、交渉を進めます。
新規開拓営業のメリット
新規開拓営業を行うことにより、以下のようなメリットが期待されます。
収益向上とビジネスリスク分散
顧客獲得によって収益が向上するほか、新規開拓営業は企業の収益源を多様化する手段ともなり、ビジネスリスクの分散につながります。
成長の促進
既存の市場や顧客層に依存せず、新しい市場を開拓することによって企業の成長を促進します。
戦略の多様化
新規開拓営業を通じた異なる市場セグメントや顧客層へのアプローチによって、新たな戦略が生み出される可能性があります。
イノベーションの促進
新たな顧客獲得に向けた取り組みが、新しいアイデアやアプローチを生み出す刺激となる可能性があります。
長期的な持続可能性
既存の顧客層の変化の影響を受けにくくなり、事業の長期的な持続可能性を実現しやすくなります。
新規開拓営業を行う際のポイント
新規開拓営業を行う際のポイントについて説明します。
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新規開拓用リストの作成
新規開拓営業では、自社が設定したターゲットの情報を収集した精度の高いリストが必要となります。新規開拓営業の効果を上げるためには、厳選された情報をもとにリストを作成することが重要です。
顧客管理の徹底
信頼性の高いリストをもとに営業活動を行い、その結果を共有できる客観的な顧客管理を実施することで、最終的な目的の達成が可能となります。営業活動の進捗状況を可視化し、最適なタイミングでのコンタクトを行うためにも、顧客管理の徹底が求められます。
提案できる価値の確立
ターゲットである顧客候補にアプローチできても、大きな関心を引き出せなければ営業活動は成功しません。競合他社との差別化を図るための自社の強みを見出し、提供価値として提案する必要があります。
顧客目線のアプローチとフォロー
新規開拓営業では、既存顧客のような関係性がなく、手探りでの折衝となります。不快感を抱かせない顧客本位のアプローチを行い、見込み顧客の関心を維持して継続的な対話を確保するためのフォローアップを欠かさないことが大切です。
新規開拓営業の方法
新規開拓営業は、インバウンド営業手法とアウトバウンド営業手法の2種類のアプローチに分類されます。それぞれの手法について、具体的な方法を説明します。
インバウンド営業手法(プル型)
インバウンド営業は、顧客が自ら興味を持って企業に接触する状況を活用するアプローチ方法です。主に広告やオンラインプレゼンス、コンテンツを通じて顧客の関心を引きつけるといった手法があります。
広告運用
オンライン、オフラインの広告を運用し、ターゲット層に働きかけます。媒体の使い分けにより、潜在層と顕在層の両方へのアプローチが期待できます。
Webサイトとコンテンツ
情報豊富なコンテンツ(ブログ記事、ウェビナー、eBookなど)を提供する良質なWebサイトを運用することで、顧客の問題解決や関心事から自社への興味を喚起します。
SEO(検索エンジン最適化)
検索エンジンで上位に表示されるためには、コンテンツへの流入を増やすことが重要です。これにより、多くの人々が自社サービスに気づく可能性が高まります。
ソーシャルメディア活用
SNSで有益なコンテンツを共有し情報の拡散を図ったり、ダイレクトメールを活用したフォロワーとの対話を通じて有効な関係を築くことができます。
セミナー開催
オンライン、オフラインのセミナー開催において、誘因力を持つテーマによる集客を行い、見込み顧客の獲得を狙います。
アウトバウンド営業手法(プッシュ型)
アウトバウンド営業は、企業が積極的に顧客に接触し、関心を喚起するためのアプローチ方法です。主に直接的なコンタクトを行います。
対面営業
伝統的ともいえる「人に直接会って商談をする方法」です。飛び込み営業や事前に面会のアポイントを取り付けて訪問するかのどちらかがほとんどです。
電話営業
顧客候補に電話をかけて製品やサービスについて説明し、興味・関心を引き出す手法です。
電子メール営業
ダイレクトメール(DM)により商材や自社開催のイベントを案内する手法です。
レター営業
担当者宛てに手紙を送付する手法です。資料やサンプルを送ることで相手の理解を深め、関心を引き出します。
リファラル(口コミ)営業
既存顧客やビジネスパートナーからの紹介を活用して、新たな顧客にアプローチする手法です。
新規開拓営業実行時に重視すべき項目
新規開拓営業の実行時に重視すべき項目を解説します。以下の項目は、企業全体の方針として浸透させましょう。
顧客を尊重
アプローチやコミュニケーションにおいては、顧客の意見やニーズを尊重することが重要です。現代では過去の時代にも増して、押しつけがましい言動は好まれません。強引なセールスや無理にことを進めるのは避け、顧客の関心に合わせたアプローチを心がける必要があります。
信頼の構築
初期段階での信頼関係を築くためには、誠実な姿勢で接し、約束したことを確実に実行する必要があります。どのような小さなことにでも、真摯に対応する姿勢が大切です。
情報の正確性
顧客に提供する情報や提案内容は正確であることが前提となります。また、顧客に関する情報も常に信頼性の高い内容であることが重要です。
長期的な視野
新規開拓営業は時間を要する場合が多々あります。計画どおりに進行できないときでも結果を焦らずに、地道な努力を続けなくてはなりません。営業部全体が、長期的な成功を見据えて取り組みを進めていくことが大切です。
法的規制の遵守
企業が行う営業活動は法的規制に準拠していることが求められます。プライバシーに配慮し、コンプライアンスなどのルールを遵守して活動を行います。
CXの向上
現代の営業活動を含めたマーケティングでは、顧客のニーズを理解しながらパーソナライズされた対応を実施することが重視されています。また、情報の透明性も重要で、誠実な姿勢を示すことで顧客の高い満足感へとつなげる流れをつくります。顧客が企業との接点を持つすべての場面で、一貫した質の高い体験を提供することが大切です。
企業経営存続のカギとなる新規開拓営業を成功させよう
新規開拓営業は新たな収益をもたらす布石であり、将来への大きな可能性を開く活動です。相手を尊重しながら誠実なアプローチを行うことで、長期の優良顧客育成へとつながり、企業成長をうながす原動力となります。新規開拓営業の成功の決め手となるのは、正確な情報です。
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※ 2023年3月末現在
本来時間のかかる新規開拓営業の工程を効率化することも可能です。新規開拓営業において、ターゲットとなる顧客を特定する際の重要なデータとしてぜひお役立てください。
新規開拓営業においては、日々変動する企業データの鮮度をいかに保つかが大きなポイントとなります。手持ちの企業データに欠損、表記ゆれなどが含まれたままでは、営業活動に支障をきたします。NTTタウンページの「データクレンジング」は、状況に応じたデータのメンテナンス処理(削除・修正・追加など)を代行するサービスです。精度の高いアプローチを実現するためにも、ぜひご活用ください。
2023年10月執筆
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