観光マーケティング事例:自治体向け人流データによる観光動態調査

こちらの記事では、観光マーケティングの事例として、主に自治体向けに人流データを活用した観光動態調査についてご紹介します。自治体の観光マーケティングを推進するために、人流データをどのように活用できるのか、自治体の観光マーケティングにおける人流データの必要性をはじめ、人流データとタウンページデータベースや各種ビッグデータを掛け合わせた調査・分析とそれに基づく観光マーケティングの事例をご紹介します。

1. 観光マーケティングと人流データ

(1)観光マーケティングにおける人流データの重要性

近年、観光マーケティングにおける人流データ活用の重要性が高まっています。新型コロナの世界的流行による消費者行動の変化や円安によるインバウンドの拡大に加え、各種SNSサービスの発展による個人のライフスタイルの多様化とともに、観光マーケティングのあり方も変化しています。観光マーケティングにおける人流データの活用は、観光地に訪れる観光客の動態や、性別・年代などの属性情報を分析することで、観光客の行動パターンを把握し、データに基づく効果的な観光施策の策定や、よりパーソナライズされた体験を提供する上で非常に重要です。また、人流データを活用した調査・分析を取り入れることで、ターゲットに合致したプロモーションやイベント企画といった観光マーケティングを通じて、観光客の満足度向上、地域経済の活性化にも繋がります。

(2)人流データを活用して分かること

人流データを活用することで、従来の観光・宿泊施設に依頼していたカウント調査や国勢調査、観光庁などの統計データでは調査できない「どのような人が、いつ、どこからどこへ移動したか」といった人の動きを調査することができます。携帯電話の基地局情報やスマートフォンアプリを起因としたGPSログなど、人流データの取得にはさまざまな技術が用いられており、自治体の目的に応じて、特徴や精度の異なった人流データを活用しています。また、人流データを活用して、過去特定の期間に来訪歴のある人だけにアンケートを配信することで、実際に観光で訪れた際の満足度や意見・要望の調査も可能です。このように、人流データを活用することで、定量的な情報だけではなく、定性的な情報も把握することができます。

(3)人流データ×タウンページデータベース

さらに、人流データにタウンページデータベースが保有する店舗・施設情報を掛け合わせれば、人流データによる「どのような人が、いつ、どこからどこへ移動したのか」といった人の動きの調査に加えて、「移動した先にどのような施設があるのか」まで把握が可能です。有名な観光スポットだけではなく、自治体が今まで把握できていなかった新たな人気スポットの発掘にお役立ていただけます。観光客の来訪状況と店舗・施設情報との相関関係を可視化し、自治体が抱える課題に応じた調査・分析を通じて、より精緻な観光マーケティングが実現可能です。

2. 自治体向け人流データの活用事例

(1)自治体の人流データ活用における課題

人流データにより、実際の旅行客数や周遊状況を正確に調査・分析し、自治体が、エリアや観光客の特性に合った観光マーケティングを実施したいというニーズは増えています。しかし、自治体では、裏付けとなるデータやエビデンスに基づく政策立案が求められている一方、DX化が遅れており、また、地域に関する知識や情報があったとしても、観光マーケティングを推進する上で必要なITスキルに長けている人材が不足しています。このような課題に対して、ここでは、人流データやタウンページデータを活用した調査・分析から、施策立案・実行までの一連の流れの中で、自治体の観光マーケティングにおける当社の幅広いサポートの事例をご紹介します。

(2)自治体観光マーケティングにおける人流データ活用事例

インバウンド誘客を目的とした自治体の観光マーケティングの事例では、人流データとタウンページデータを掛け合わせ、施設情報を加味したエリア全体の来訪客数や国籍別の来訪状況、近隣自治体を含めた周遊状況などを調査し、季節要因による観光動態の変化も盛り込みながら、観光マーケティングの基礎データとなる分析レポートを分かりやすく作成し、自治体にご提供しています。分析レポートは、これまで推測でしかなかった観光実態を数値化し、国籍別来訪状況を基にした多言語対策の強化、効果的な周遊ルートの検討などにお役立ていただいています。また、人流データを活用した国内観光客調査の事例では、必要に応じて、クレジットカード会社との連携による消費額データや、位置情報を基にしたデジタルアンケートのコンテンツも盛り込みながら、観光計画のKPI策定などに活用いただいています。

3. 調査・分析結果に基づく観光マーケティング

(1)人流データの調査・分析に基づくプロモーション事例

人流データの調査・分析結果に基づくプロモーションの事例をご紹介します。スマートフォンから得られる位置情報を活用したジオターゲティング広告の事例では、性別・年代などの属性情報や行動履歴を活用し、分析レポートで得られた知見を基に、例えば、20代~40代のファミリーをターゲット層として、ピンポイントでWEB広告の配信が可能です。さらに、広告配信の効果を測定し、その結果を基に施策やコンテンツを改善し、次の施策の検討が可能です。効果検証、改善を繰り返すことで、より効果の高い観光マーケティングに繋がります。当社では、自治体の実効性のある観光マーケティング実施に向けて、人流データの調査・分析だけではなく、自治体の観光施策の立案・実行、効果検証まで一気通貫でサポートする体制を整えています。

(2)観光マーケティングにおける人流データの展望

最近では、人流データに各種ビッグデータやAI技術を掛け合わせることで、人々の行動パターンから、性別・年代などのデモグラフィックな情報だけではなく、趣味・嗜好の部分まで調査する観光マーケティングの事例も出てきています。デジタル時代の到来によるペルソナ像の多様化や変化を把握することで、観光客の特徴を踏まえた周遊ルートの策定や個人に即した観光スポットのナビゲーション、効果的なイベントの開催など、自治体のリソースを最適に活用し、自治体の魅力を最大限に伝える新たな観光マーケティングが可能となります。自治体の観光マーケティングにおける人流データの活用は、相互に関連し合う重要な要素として、今後も期待される役割が高まることが予想されます。

まとめ

以上、こちらの記事では、自治体向け人流データによる観光動態調査の観光マーケティング事例をご紹介しました。自治体の観光マーケティングにおいては、人流データを正確に理解し、適切に活用することで、職員の調査の負担を軽減し、エビデンスに基づいた効率的な観光施策の立案により、地域の活性化の取り組みの一助となります。当社では、自治体の観光分野の課題解決に向け、タウンページデータベースと人流データをはじめ、各種ビッグデータの調達業務から分析、レポートによる可視化、プロモーション施策などワンストップでソリューションを展開しております。多くの自治体へご提供の実績・事例がありますので、観光マーケティングにお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。

2024年10月執筆


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