人の移動に関する情報を可視化した統計データである、人流データ。スマートフォンのGPSや公共交通機関の乗降者データなどから収集され、交通や観光、都市開発などのあらゆる分野で活用が進んでいます。官民問わず注目を集めており、今後さらに人流データの活用が進むことが予測されます。
そこで本記事では、人流データを活用し、あらゆる課題解決に取り組む自治体や企業の事例を紹介します。
人流・人流データとは
人流や人流データとはどのようなものなのか概要を解説します。
人流とは
人流とは、人々の移動や滞在に関することで、いつ、どこから、どこへ、どのくらいの時間、どのような手段で移動したかなどを示します。
人流データとは
人流データとは、スマートフォンのGPSや基地局から収集された位置情報を基に、人流を数値化したデータのことを指します。
人流データが注目される背景
人流データが注目される背景として、近年のスマートフォンの普及により、GPS等を用いた高精度な位置情報データの取得が容易になったことが挙げられます。これによりリアルタイムで大量の人流データを取得することが可能となりました。また、ビッグデータ分析技術の向上やクラウドコンピューティングの発展により、その大量のデータを低コストで処理できるようになりました。
このような背景により、マーケティングや都市計画など、さまざまな分野で人流データを活用しやすくなったため、人流データが注目されているのです。
加えて、国土交通省においても人流データを積極的に活用するべく「人流データ利活用事例集」をまとめているなど、人流データへの関心が高まっていることを示しています。
人流データの活用事例
人流データが活用されている事例をマーケティング・交通・防犯・観光・まちづくりごとに5選紹介します。
イベントとテナント誘致の効果を可視化
大手私鉄A社では、イベントや施設運営の効果測定に、AIカメラを用いた人流データ解析を導入しました。従来の人力調査では限界があった365日24時間のデータ取得を実現し、イルミネーション開催後の人流増加率を平日11.7%、休日13.8%と定量的に示すことができました。この取り組みにより、イベントやテナント誘致の判断材料として投資対効果をシビアに求められるようになった中で、社内での説得材料につながっています。今後は、テナントのリニューアル効果測定や競合施設の影響調査、賃料交渉資料の改良、テナント誘引計画の精緻化等にもデータを活用していく予定です。
路線バスの需要と供給のギャップを可視化し、利用者増加
大手バスB社は、路線バスの乗車率向上を目指して人流データを活用しています。人流データを収集・分析した結果、従来のノウハウでは捉えきれていなかった需要と供給のギャップを可視化することに成功しました。この分析に基づいて、バス停での停車便数の見直しや運行系統の経路延伸を実施したところ、コロナ禍明けにおいて沿線駅の人流増加トレンドを上回るバスの利用者数増加が確認できました。今後は、この活用方法の評価・改善を進めるとともに、他の路線への適用範囲拡大に取り組む予定です。
効果的な見守り活動で子どもの安全・安心を向上
あるC市では、ICT を活用して都市機能やサービスを効率化・高度化するスマートシティの実現に向けネットワークを構築しました。その一環として、「子どもを見守る地域連携事業」を展開し、人流データを活用しています。
具体的には、小学生にGPSセンサーを貸与し、登下校路における人流データを収集・分析することで、通学路の安全性向上や効率的な見守り活動に活用しています。このように各学校では、この解析結果を基に具体的な安全対策が実施され、地域全体で子どもの安全を守る取り組みが進められているのです。
上記3事例参考:人流データ利活用事例集(国土交通省)
観光実態を可視化し、誘致施策展開に寄与
あるD観光協会は、関西圏以外のターゲットには情報発信不足で、これからターゲットのニーズに応じた施策をどのように行えばよいかという課題に直面していました。この課題解決のためにNTTタウンページと協力し、人流データを活用しています。これにより、観光客数や宿泊者数、観光客の周遊状況などを分析できました。
このように、どこの国や地域の人が島内を来訪しているのかなどを分析することで、これまで推測でしかなかった観光実態を数値化できました。これらの分析を元に新たな行政との連携をすることで更なる観光客誘致の施策展開につながっています。
ビッグデータを用いた課題の解決・より良いまちづくりへの活用
あるE市では、交通不便とコンテンツ力不足により市街地店舗への集客力が乏しいにもかかわらず、さらに少子高齢化の加速と若者世代の流出によって、高齢者の移動手段の確保が困難で「移動に関する社会課題」が顕在化していました。
そこで、中心市街地およびその周辺地区におけるGPS データに基づいた利用者属性や行動パターン等の人流データと、キャッシュレス決済データに基づく消費分析、施設情報、オープンデータを掛け合わせ、現状・傾向等を探りました。これにより、従前の印象や感覚的であったものをファクトとして確認できた点、新たに明らかになった点の両面が浮き彫りになり、より良いまちづくりに活用しています。
参考:ビッグデータを用いた課題の解決・より良いまちづくりへの活用
人流データならNTTタウンページの
人流DXソリューションがおすすめ
上記のように、人流データはあらゆる分野で活用されており、今後も広がりが加速していくでしょう。
そこで、人流データの活用を検討しているのであれば、NTTタウンページの「人流DXソリューション」をおすすめします。
さまざまな提携企業からもたらせる膨大な「人流データ」とNTTタウンページが保有する施設・企業情報データベースを融合させることで、お客様の課題解決に向けた最適なご提案を行います。
例えば、140種*以上のスマートフォンアプリから収集した位置情報を活用し、セグメント別の効率的な広告配信を実現できます。また、店舗立地調査や商圏調査にも応用可能で、滞在者の人数だけでなく、移動手段や傾向の把握などにも活用できます。
*2023年7月時点
例えば、140種*以上のスマートフォンアプリから収集した位置情報を活用し、セグメント別の効率的な広告配信を実現できます。また、店舗立地調査や商圏調査にも応用可能で、滞在者の人数だけでなく、移動手段や傾向の把握などにも活用できます。
このように企業のマーケティングや広告、観光や自治体のまちづくりなどあらゆる分野で役立てるでしょう。ご興味がある方は、ぜひ一度ご確認ください。
人流データをビジネスや街づくりへの活用を
人流データとは、スマートフォンのGPSなどから得られる人々の移動や滞在に関する情報を数値化したものです。近年の技術発展により、リアルタイムで大量のデータを収集・処理できるようになったため、さまざまな分野で活用されやすくなっており、注目を集めています。
実際に官民問わず、マーケティングや観光、交通、防犯などあらゆる分野で活用されており、従来では解決できなかった課題の克服にもつながっています。今後さらに人流データの活用が予測されるため、今のうちに人流データについて理解を深めることが重要です。
NTTタウンページでは、「人流DXソリューション」を提供しております。お客さまの課題に最適なソリューションをご提案できるため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
2024年8月執筆
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