こちらの記事では、エリアマーケティングの事例として、主に人流データの位置情報を活用したペルソナ分析についてご紹介します。エリアマーケティングを推進するにあたり、ペルソナ分析をどのように活用できるのか、エリアマーケティングにおけるペルソナ分析の重要性をはじめ、人流データの位置情報とタウンページデータベースの店舗・施設情報を掛け合わせたペルソナ分析の手法や、それに基づくエリアマーケティングの事例をご紹介します。
1. エリアマーケティングとペルソナ分析
(1)エリアマーケティングにおけるペルソナ分析の重要性
はじめに、エリアマーケティングにおけるペルソナとは、サービス提供や集客施策を考える上で必要となる正確な顧客プロフィールのことです。ペルソナ分析を活用し、エリアマーケティングの戦略を組み立てることで、よりユーザに寄り添った施策の展開が可能となります。具体的には、ターゲットとなるペルソナ像を詳細に把握することで、ユーザニーズに基づいた商品開発や適切な場所で適切な訴求を用いたプロモーションを検討することができます。また、長年の経験や勘を頼りにしたエリアマーケティングではなく、ペルソナ分析を正確に実施することにより、狙うべきターゲットに関してメンバー間で共通認識を持てるようになり、施策立案から実行まで、一貫性のある戦略策定が可能になると同時に、エリアマーケティングにかかる時間とコストの削減にも繋がります。
(2)ペルソナ分析により分かること
人流データの位置情報により取得可能な性別や年代、居住地といったデモグラフィックな情報だけではなく、趣味嗜好や興味関心、日々の習慣やライフスタイル、価値観など、生活にまつわる細かな情報までユーザを分析できます。ユーザニーズの細分化や消費動向が多様化する現代においては、画一的な「30代男性」のようなターゲット設定では、ユーザ像を特定することは、難しくなってきています。エリアマーケティングにおいても、より具体的なターゲット設定をするためにペルソナ分析の重要性が非常に高まっています。
(3)位置情報×店舗・施設情報によるペルソナ分析
当社では、アライアンス会社との連携により、携帯電話の基地局情報を起因とした人流データの位置情報とタウンページデータベースの店舗・施設情報を掛け合わせ、ペルソナ分析サービスを提供しています。携帯電話の基地局情報を起因とした人流データの位置情報は、365日24時間の連続性があり、サンプルサイズが大きく、性別や年代の偏りが少ないといった特徴があります。これら人流データの位置情報を捕捉し、タウンページデータベースの店舗・施設情報への接触傾向から、日常生活において利用する店舗・施設のジャンルを見ることで、グループ毎の趣味嗜好や興味関心といったペルソナ像を分析します。日常の人流データの位置情報がベースとなっているため、ライフスタイルを反映した詳細なペルソナ像の把握が可能となり、より精緻なエリアマーケティングに繋がります。
2. ペルソナ分析の活用事例
(1)エリアマーケティングにおけるペルソナ分析の課題
エリアマーケティングにおけるペルソナ分析の活用ニーズが増えている一方、ペルソナ分析には、多くの時間とコストがかかります。例えば、街頭アンケートやインターネット調査の場合、調査後にはさらに結果の集計や分析が必要となります。また、収集データの量と質が確保されていなければ、誤ったペルソナ分析により、逆に非効率なアプローチとなってしまう可能性もあります。このような課題に対しては、圧倒的なサンプルサイズと正確性が担保された携帯電話の基地局情報を起因とした人流データの位置情報の活用が有効です。ここでは、当社のペルソナ分析サービスを通じて、エリアマーケティングにおける戦略立案から実行までの幅広いサポートの事例をご紹介します。
(2)エリアマーケティングにおけるペルソナ分析事例
観光客のペルソナ像を把握することを目的とした自治体のエリアマーケティングの事例では、人流データの位置情報とタウンページデータベースの店舗・施設情報を掛け合わせ、観光客の年齢層の内訳に加えて、日常生活においてどのような施設のジャンルによく接触しているかを可視化し、趣味嗜好と行動特徴の相関を調査しました。その結果、ある観光スポットには、40代が多く来訪しており、日常生活では、学習塾などの教育関連施設に特徴的に接触していることが分かりました。また、現地では近隣の農業体験施設への来訪が併せて見られることから、「教育意識が高いファミリー層」をペルソナ像として設定し、観光客増加に向け、「教育旅行」をテーマにしたプロモーションの推進にお役立ていただきました。
3. ペルソナ分析結果に基づくエリアマーケティング
3. ペルソナ分析結果に基づくエリアマーケティング
人流データの位置情報を活用したペルソナ分析結果に基づくプロモーションの事例をご紹介します。人流データの位置情報とタウンページデータベースの店舗・施設情報の掛け合わせにより、趣味嗜好や興味関心、エリアごとに分類したペルソナ像に対して広告配信の設定が可能です。例えば、「書籍」好きに絞って新製品の広告を掲載したい場合、「書籍」好きが「旅行」好きであることも分かれば、「旅行」についても広告配信のキーワードとして設定し、各メディアと連携した広告配信にご活用いただけます。ペルソナ分析では、ターゲットとなりうる隠れたペルソナ像も炙り出すことができます。購入に至りやすいターゲットを絞ったプロモーションを実施することで、より効率的なエリアマーケティングに繋がります。
(2)エリアマーケティングにおけるペルソナ分析の展望
ペルソナ像の多様化によりエリアマーケティングの手法も複雑化してきています。人流データの位置情報とタウンページデータベースの店舗・施設情報の掛け合わせだけではなく、営業時間や気象情報、SNSなど様々なビッグデータとの連携により、さらに詳細なペルソナ像を導き出すことができれば、より高度なエリアマーケティングに繋がります。また、プロモーションの面においても、人流データの位置情報を活用したペルソナ分析結果に基づくターゲットのセグメントは、サードパーティークッキーの規制が議論される中で、プライバシーを保護する代替策としての活用が可能です。エリアマーケティングにおける人流データの位置情報を活用したペルソナ分析は、今後も期待される役割が高まることが予想されます。
まとめ
以上、こちらの記事では、人流データの位置情報を活用したペルソナ分析によるエリアマーケティング事例をご紹介しました。今後のエリアマーケティングにおいて、ターゲットとするべきペルソナがどの街のどのエリアに多いかが容易に可視化できれば、今回ご紹介した観光調査や広告出稿だけではなく、商品立案や販促支援、イベントの効果測定など様々な分野への応用が可能となります。当社では、アライアンス会社との連携を強化し、エリアマーケティングにおけるペルソナ分析の活用を推進していきます。自治体や企業様へご提供の実績・事例がありますので、ペルソナ分析に興味をいただいた際はお気軽にお問合せください。
2024年10月執筆
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